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インプラントの術前検査では何をする?

インプラント治療は、失った歯を補うための画期的な治療方法です。しかし、その成功には事前の精密な検査が欠かせません。

今回は、インプラントの術前検査について詳しくご紹介します。

 

術前検査の必要性

インプラントは、顎の骨にチタン製の人工歯根を埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療方法です。ただ埋め込むのではなく、良好な噛み合わせを維持して歯としての機能を最大限に引き出すには、どこに埋め込むかということを0.1mm単位で模索します。したがって、この手術を成功させるためには顎の骨の状態やお口の中の健康状態を正確に把握することが大切です。また、事前の検査は手術の安全性を高め、患者さんに安心して手術を受けていただくためのものでもあります。

 

術前検査では何をする?

術前の検査では、具体的にどのようなことをするのでしょうか。

・口腔内検査

患者さんのお口の中全体の状態を詳細に確認し、歯ぐきの健康状態、むし歯や歯周病の有無、残存している歯の状態などをチェックします。この検査も、インプラント手術が適切に行えるかどうかの判断材料となります。もしむし歯や歯周病が見つかった場合は、インプラント治療の前にそれらの治療を優先して行います。

・レントゲン検査

レントゲン検査は、お口の中の状態をさらに詳しく把握するために行われます。X線を透過させることで、骨や歯などの硬い組織は白く映り、歯ぐきや空洞などの柔らかい組織は黒く映ります。インプラントの術前検査で用いられるレントゲン検査には、主に以下の2種類があります。

 

【パノラマレントゲン】

パノラマレントゲンは、目の下から顎先までの比較的広い範囲を一枚で撮影できる方法です。上下の歯列、顎の骨、関節など広範囲を一度に確認できるため、インプラント手術の計画に非常に役立ちます。この画像により、お口の中全体の状態やむし歯の有無、歯周病の進行状況などを把握します。

 

【歯科用CT】

歯科用CTは、詳細な三次元(3D)画像を提供する先進的な画像診断装置です。パノラマレントゲンでは平面的な画像しか得られませんが、歯科用CTは立体的な画像を生成し、歯や顎の骨の状態をより正確に把握することができます。歯科用CTの特徴には、以下のようなことが挙げられます。

・高解像度の3D画像

歯科用CTの撮影にて得られたデータにより、対象物を360度あらゆる角度から立体的に見られるようになります。インプラントの治療計画を立てるにあたって最も重要といっても過言ではない顎の骨の高さ、幅、密度などを正確に測定できようになり、インプラントを埋め込む位置や角度、深さを精密に計画できます。また、神経や血管が近接している場合などリスクの高いケースも事前に把握できるため、安全な手術が可能です。

・少ない放射線量

歯科用CTは従来のCTスキャンに比べて放射線量が少ないため、患者さんへの負担が軽減されます。

・短時間で撮影可能

撮影時間が短いため患者さんの負担も少なく、迅速に検査を行うことができます。

 

その他の検査

インプラント手術を行う際には、お口の中だけでなく全身の健康状態も重要です。特に、糖尿病や心臓病、高血圧などの全身疾患がある場合、手術のリスクが高まるため、事前にその状態を把握しなければなりません。血液検査は、これらの疾患の有無や状態を確認するために行われます。

 

まとめ

今回は、インプラントの術前検査についてご紹介しました。インプラント手術は失った歯を補うために効果的な治療法ですが、その成功には事前の精密な検査が欠かせません。検査を通じて患者さんの健康状態を詳細に把握し、最適な治療計画を立てることができます。

当院では、インプラントの知識や治療経験が豊富な歯科医師が治療を担当いたします。治療に際して少しでもご不安な点や疑問点などがあれば、カウンセリングやご説明の際にお気軽にご相談ください。

執筆者情報

院長(歯学博士)

Naohiro Morikage

飯田橋エトワール歯科医院のホームページにご訪問いただき、ありがとうございます。
当院では働く方でも通いやすいように、お昼休みの時間帯や土曜日の診療も行っております。また、安心して治療を受けていただけるように、徹底した衛生管理と高品質な治療設備を導入し、患者さん一人ひとりに合わせた適切な診断と治療をご提供できるよう心がけております。お忙しくてなかなか歯科医院に行けなかったという方も、ライフスタイルに合わせた短期間で正確な治療プランをご提案いたしますので、ぜひご相談ください。

経歴

  • 2011年

    日本大学歯学部総合診療科にて研修

  • 2012年

    日本大学歯学部口腔診断科学講座 入局

  • 2013年

    日本大学歯学部口腔診断科学講座 専修医

  • 2014年

    奥羽大学歯学部口腔外科学講座 臨床助手

  • 2015年

    都内開業医勤務

  • 2018年

    飯田橋エトワール歯科医院 開院

修了セミナー

[全顎的治療]

  • Education for Oral Rehabilitation ベーシック・マスターコース(高橋登先生)

[アライナー矯正]

  • アライナー矯正治療コース(尾島賢治先生)

[CEREC]

  • CEREC Basic Course (風間龍之輔先生)
  • CEREC道場(北道敏行先生)
  • CERECコース(小池軍平先生)

[審美歯科、保存修復]

  • ダイレクトボンディング ベーシック・マスターコース(高橋登先生)
  • プレパレーションセミナー(岩田淳先生)
  • C.R.E.Dセミナー(高田光彦先生)
  • ADI 実践コース (二宮佑介先生、榊航利先生)
  • Anterior&Posterior Restoration-2days Lecture(Marco Gresnigt先生)

[歯周病]

  • JIPIぺリオコース(牧草一人先生)

[インプラント]

  • Urban Regeneration Institute Advanced Hard and Soft Tissue Course(Istvan Urban先生)
  • 水口インプラント道場 (水口稔之先生)
  • ブローネマルク・コンセプトによるインプラント・コース(小宮山 彌太郎先生)
  • SBICインプラントコース (中澤玲先生)
  • 生体主導型歯科臨床セミナー (山道信之先生)