インビザライン治療後の保定期間とは？その重要性

2025.10.10

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インビザラインでの矯正治療を終えた方の多くが、「やっとマウスピースをつけなくて済む」と安堵することでしょう。確かに、歯並びが整い、美しい笑顔が手に入った瞬間は大きな達成感があります。しかし、実はここで気を緩めてはいけません。矯正治療には仕上げとも言える大切なステップが残されているのです。それが「保定」です。今回は、インビザライン治療後に必要な保定期間とはどのようなものか、そしてその重要性についてご紹介します。

保定とは何か？

矯正治療後、歯がきれいに並んだ状態を長く維持するためには、「保定装置（リテーナー）」と呼ばれるマウスピースのような装置を一定期間装着する必要があります。この工程を「保定」と呼びます。

インビザラインのようなマウスピース矯正であっても、歯が動いた後は元の位置に戻ろうとする「後戻り」の力が働くため、何もせずに放置すると、せっかく整った歯並びが少しずつズレてしまうことがあります。

なぜ保定が必要なのか？

矯正によって歯が動いた直後の状態では、歯を支える骨（歯槽骨）や歯ぐきがまだ安定していません。歯は顎の骨の中をじわじわと移動していきますが、移動が完了しても、まわりの組織がその変化に完全に適応するまでには時間がかかります。

また、日常生活での噛み癖や舌の位置、呼吸の仕方なども、歯並びに影響するため、何もせずにいると徐々に歯が動いてしまう可能性があるのです。つまり、保定期間は「歯並びを定着させるための安定期間」と言えるでしょう。

保定装置（リテーナー）の種類

保定装置にはいくつかの種類があります。インビザライン治療を受けた方の多くは、見た目や装着感がマウスピースに似た「クリアリテーナー」と呼ばれるタイプを使用します。

・クリアリテーナー（マウスピース型）
インビザラインのアライナーとよく似た透明な装置で、目立ちにくく、取り外し可能。違和感も少ないため、日常生活に取り入れやすいのが特徴です。

・ワイヤー型リテーナー（ホーレーリテーナーなど）
前歯にワイヤーが通るタイプで、構造はやや目立ちますが、長期間の保定に適しています。

・固定式リテーナー
歯の裏側に細いワイヤーを接着し、外れないようにするタイプ。装着の手間がなく、確実に歯を固定できますが、清掃には注意が必要です。

保定期間はどのくらい？

保定期間には個人差がありますが、一般的には最低でも1〜2年、場合によっては半永久的な保定が推奨されることもあります。

・初期の保定（治療終了から半年〜1年）

この時期は、最も後戻りしやすいため、1日20時間以上の装着が推奨されます。インビザラインのアライナーを装着していた感覚と似ており、習慣化しやすい期間です。

・中期の保定（1年〜2年目）

歯と骨がある程度安定してくる時期ですが、まだ後戻りのリスクが残るため、夜間のみの装着を継続します。寝ている間だけ装着することで、日常生活にほぼ支障なく保定を続けられます。

・長期の保定（2年目以降）

個人差がありますが、歯並びを維持するために、週に数回の装着を継続することが勧められる場合もあります。完全に保定を終了できるかどうかは、歯並びの安定度や年齢、口腔習癖の有無などによって判断されます。

まとめ

多くの方が、矯正治療の「ゴール」はアライナー装着の終了だと思いがちですが、実はその先の保定こそが、歯並びを完成させるための最終工程なのです。せっかく時間と費用をかけて整えた歯並びを長く維持するためにも、保定の重要性を理解し、正しい使い方を継続していきましょう。

当院ではインビザラインの無料カウンセリングも実施しております。ご予約はお電話にて承っております。

執筆者情報

院長（歯学博士）

森蔭直広Naohiro Morikage

飯田橋エトワール歯科医院のホームページにご訪問いただき、ありがとうございます。
当院では働く方でも通いやすいように、お昼休みの時間帯や土曜日の診療も行っております。また、安心して治療を受けていただけるように、徹底した衛生管理と高品質な治療設備を導入し、患者さん一人ひとりに合わせた適切な診断と治療をご提供できるよう心がけております。お忙しくてなかなか歯科医院に行けなかったという方も、ライフスタイルに合わせた短期間で正確な治療プランをご提案いたしますので、ぜひご相談ください。

経歴

2011年

日本大学歯学部総合診療科にて研修
2012年

日本大学歯学部口腔診断科学講座　入局
2013年

日本大学歯学部口腔診断科学講座　専修医
2014年

奥羽大学歯学部口腔外科学講座　臨床助手
2015年

都内開業医勤務
2018年

飯田橋エトワール歯科医院　開院

所属学会

修了セミナー

［全顎的治療］

Education for Oral Rehabilitation ベーシック・マスターコース（高橋登先生）

［アライナー矯正］

アライナー矯正治療コース（尾島賢治先生）

［CEREC］

CEREC Basic Course (風間龍之輔先生)
CEREC道場(北道敏行先生)
CERECコース（小池軍平先生）

［審美歯科、保存修復］

ダイレクトボンディング　ベーシック・マスターコース（高橋登先生）
プレパレーションセミナー（岩田淳先生）
C.R.E.Dセミナー（高田光彦先生）
ADI 実践コース　（二宮佑介先生、榊航利先生）
Anterior&Posterior Restoration-2days Lecture（Marco Gresnigt先生）

［歯周病］

JIPIぺリオコース（牧草一人先生）

［インプラント］

Urban Regeneration Institute Advanced Hard and Soft Tissue Course（Istvan Urban先生）
水口インプラント道場　（水口稔之先生）
ブローネマルク・コンセプトによるインプラント・コース（小宮山彌太郎先生）
SBICインプラントコース　（中澤玲先生）
生体主導型歯科臨床セミナー　（山道信之先生）