- ブログ
歯並びや噛み合わせが悪くなるのはなぜ?
歯並びや噛み合わせが悪い状態を歯科用語で「不正咬合」といいますが、そもそもなぜ歯並びや噛み合わせが悪くなるのでしょうか。歯並びや噛み合わせの良し悪しは単に歯の生え方の問題でなく、遺伝や生活習慣が関わってきます。
今回は、不正咬合の原因についてご紹介します。
不正咬合の原因は大きく分けて3つ
歯並びや噛み合わせが悪くなる原因は、大きく分けて3つ挙げられます。
・遺伝的要因(親から子への遺伝により生じるもの)
・先天的要因(遺伝ではないが、生まれ持ったもの)
・後天的要因(生まれた後の生活習慣等により生じるもの)
それぞれについて詳しくみていきましょう。
遺伝的要因
遺伝とは生物の基本となる性質の一つで、親から子へと形や性状が伝わる現象のことです。伝わるものには容姿や顔貌などの外見的なもの、性格などの内面的なもの、そして病気が挙げられます。例えば、一般的に子の身長がどのくらいの高さになるかは約8割が親からの遺伝によって決まるといわれています(ただし、子が親と完全に同じ身長になるというわけではありません)。
歯並びも親から子に遺伝する要素の一つです。顎の骨の大きさや形、歯の大きさが遺伝することで、歯並びや噛み合わせに影響を与えると考えられています。例えば、親が歯の大きさに対して顎の骨が小さいことが原因となって叢生になっている場合、子にも顎の骨の大きさが遺伝して叢生になる可能性が高くなります。
とはいえ、これらは全てが完全に遺伝によって決まるとは限りません。後にご紹介する「後天的要因」によって変化することは大いにあります。特に歯並びの場合、完全に遺伝による不正咬合もあれば、生活習慣等による後天的要因によって起こるケースも非常に多くみられます。
先天的要因
不正咬合の先天的要因の一つに、歯の数や大きさがあります。歯の数が生まれつき多い、少ない、もしくは歯が顕著に小さいと、歯並びや噛み合わせに影響を及ぼします。
・先天性欠損または欠如歯
人間は通常、乳歯で20本、永久歯で28本(親知らずを全て含めると32本)の歯が生えてきます。しかし、生まれつき歯の本数が足りないことを先天性欠損(欠如歯)といいます。この場合、歯が足りない箇所の空いているスペースに周りの歯が倒れこむなどして歯並びや噛み合わせが悪くなる可能性があります。
・過剰歯
先天性欠損とは逆に、生まれつき歯の本数が多いことがあります。その歯を「過剰歯」とよびます。過剰歯があることによって顎の骨に歯が綺麗に並びきるスペースが足りなくなり、歯並びや噛み合わせが悪くなることがあります。
・矮小歯
通常の歯の大きさよりも著しく小さい歯を「矮小歯」といいます。これにより顎の骨のスペースが余ってしまい、歯と歯の間に隙間ができるなどの不正咬合が生じる可能性があります。
後天的要因
遺伝や先天的要因ではなく、生まれた後の生活習慣などにより歯並びや噛み合わせが悪くなることがあります。近年は特にこの後天的要因による不正咬合が増えているとされています。
・指しゃぶり
指しゃぶりは赤ちゃんの生理的行動の一つですが、3歳頃以降になっても日常的に指しゃぶりを継続していると上顎前突(出っ歯)や開咬などの不正咬合の原因となることがあります。
・舌癖
舌で前歯や横の歯を押しだす癖により、歯に継続的に力がかかり不正咬合の原因となります。舌癖が原因で起こる不正咬合には、上顎前突、開咬、空隙歯列(すきっ歯)、下顎前突(受け口)、叢生、交叉咬合などが挙げられます。
・頬杖やうつぶせ寝
頬杖やうつぶせ寝のように外側から口の中に力がかかることにより不正咬合が起こることもあります。顔の歪みや交叉咬合などが例として挙げられます。
まとめ
今回は、不正咬合の原因についてご紹介しました。後天的要因による不正咬合は、生活習慣の改善などで防げる可能性もあります。癖となっている生活習慣がある場合は、できるだけ早く改善するようにしましょう。
当院ではインビザラインの無料相談も受け付けております。お電話でお気軽にお問合せください。
執筆者情報
院長(歯学博士)
森蔭 直広Naohiro Morikage
飯田橋エトワール歯科医院のホームページにご訪問いただき、ありがとうございます。
当院では働く方でも通いやすいように、お昼休みの時間帯や土曜日の診療も行っております。また、安心して治療を受けていただけるように、徹底した衛生管理と高品質な治療設備を導入し、患者さん一人ひとりに合わせた適切な診断と治療をご提供できるよう心がけております。お忙しくてなかなか歯科医院に行けなかったという方も、ライフスタイルに合わせた短期間で正確な治療プランをご提案いたしますので、ぜひご相談ください。
経歴
-
2011年
日本大学歯学部総合診療科にて研修
-
2012年
日本大学歯学部口腔診断科学講座 入局
-
2013年
日本大学歯学部口腔診断科学講座 専修医
-
2014年
奥羽大学歯学部口腔外科学講座 臨床助手
-
2015年
都内開業医勤務
-
2018年
飯田橋エトワール歯科医院 開院
所属学会
- 日本口腔診断学会 会員
- 日本口腔顔面痛学会 会員
- 日本口腔外科学会 会員
- 日本口腔インプラント学会 会員
- 日本臨床歯科CADCAM学会 会員
- 日本アライナー矯正歯科研究会 会員
修了セミナー
[全顎的治療]
- Education for Oral Rehabilitation ベーシック・マスターコース(高橋登先生)
[アライナー矯正]
- アライナー矯正治療コース(尾島賢治先生)
[CEREC]
- CEREC Basic Course (風間龍之輔先生)
- CEREC道場(北道敏行先生)
- CERECコース(小池軍平先生)
[審美歯科、保存修復]
- ダイレクトボンディング ベーシック・マスターコース(高橋登先生)
- プレパレーションセミナー(岩田淳先生)
- C.R.E.Dセミナー(高田光彦先生)
- ADI 実践コース (二宮佑介先生、榊航利先生)
- Anterior&Posterior Restoration-2days Lecture(Marco Gresnigt先生)
[歯周病]
- JIPIぺリオコース(牧草一人先生)
[インプラント]
- Urban Regeneration Institute Advanced Hard and Soft Tissue Course(Istvan Urban先生)
- 水口インプラント道場 (水口稔之先生)
- ブローネマルク・コンセプトによるインプラント・コース(小宮山 彌太郎先生)
- SBICインプラントコース (中澤玲先生)
- 生体主導型歯科臨床セミナー (山道信之先生)