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インプラントに使われているチタンとはどのような素材?

インプラントは、人工歯根を顎の骨に直接埋め込んで歯としての機能と見た目を回復させる治療です。このときに用いられる人工歯根は、主にチタンという素材からできています。

 

今回は、インプラントに使われているチタンについてご紹介します。

チタンとはどのような素材?

チタンとは、元素記号「Ti」で表される金属です。銀灰色をして、次のような特徴があります。

 

・他の金属に比べて軽い

銅の約半分、鉄の約60%の軽さです。

 

・錆びにくい

銅やステンレス銅などの主要金属に比べても非常に錆びにくく、白金(プラチナ)に匹敵するレベルの耐食性をもっています。

 

・強度が高い

重さ当たりの強度は、銅の約2倍、アルミニウムの約3倍といわれています。

 

・人体への適合性に優れている

チタンは酸化被膜をもつため、唾液などにより金属が溶け出すことはありません。そのため金属でありながらも金属アレルギーを起こしにくく、人体に優しい安全な素材です。

 

・燃えにくい

チタンを用いた展伸材は国土交通省から「不燃材料」として認定されていることから、建築物やモニュメントにも使用できます。

 

チタンは何に使われている?

チタンが使われているものには以下のようなものがあります。

 

・宇宙および航空機用材料

・建築材料

・自動車や二輪車

・医療機器

・眼鏡、時計、アクセサリー、カメラ、ゴルフ用品などの民生品

 

チタンが使われている医療機器は歯科用のインプラントだけでなく、人工骨、心臓弁、心臓のペースメーカー、手術用器具などもチタンから作られています。

 

インプラントの人工歯根はなぜチタンでできている?

インプラントの治療では、チタン製の人工歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工歯を被せる方法で歯の機能と見た目を回復させます。人工歯根は純チタンもしくはチタン合金でできているものが主流ですが、これは1952年にスウェーデンのブローネマルク氏が「チタンと骨が強固に結合する」ことを発見したことがきっかけとなっています。

 

それまではインプラントの治療にサファイアなどの宝石やステンレス、アルミニウムなどの金属が使われていましたが、どれもインプラントの素材としての決め手に欠けていました。しかし、ブローネマルク氏の発見によりインプラント治療の精度、安全性が格段に向上し、現在に至ります。

 

インプラントがチタン製であることのメリット

 

・生体親和性が高い

インプラントは顎の骨に直接埋め込み結合させるものなので、身体の一部として機能していくことになります。そのため、身体の生体防御反応によって異物として認識されるような素材であると、炎症や免疫反応を起こす原因となってしまいます。チタンは生体親和性が高く異物として認識されにくいため、金属アレルギーを生じる心配も基本的にありません(ごく稀に金属アレルギーの症状を引き起こす場合もありますので詳しくは担当歯科医師までご相談ください)。

 

・骨と結合して安定する

チタン製の人工歯根は、顎の骨に直接結合するためしっかりと固定されます。入れ歯のような不安定さはありません。そのため天然歯と同程度の噛む力を再現でき、食事をこれまでと同じように楽しめます。

 

・生体内で長期的に使用できる

チタンは錆びにくく強度も高いため、身体の一部として長く機能することが期待できます。インプラントの平均的な治療は10年程度といわれていますが、適切なメンテナンスによりそれ以上長く良い状態を維持できたという例もあります。

 

まとめ

今回は、インプラントに使われているチタンついてご紹介しました。チタンを用いた人工歯根は機能性や強度に優れており、安心してご使用いただけるものです。

当院では、インプラントの知識や治療経験が豊富な歯科医師が治療を担当いたします。治療に際して少しでもご不安な点や疑問点などがあれば、カウンセリングやご説明の際にお気軽にご相談ください。

 

執筆者情報

院長(歯学博士)

Naohiro Morikage

飯田橋エトワール歯科医院のホームページにご訪問いただき、ありがとうございます。
当院では働く方でも通いやすいように、お昼休みの時間帯や土曜日の診療も行っております。また、安心して治療を受けていただけるように、徹底した衛生管理と高品質な治療設備を導入し、患者さん一人ひとりに合わせた適切な診断と治療をご提供できるよう心がけております。お忙しくてなかなか歯科医院に行けなかったという方も、ライフスタイルに合わせた短期間で正確な治療プランをご提案いたしますので、ぜひご相談ください。

経歴

  • 2011年

    日本大学歯学部総合診療科にて研修

  • 2012年

    日本大学歯学部口腔診断科学講座 入局

  • 2013年

    日本大学歯学部口腔診断科学講座 専修医

  • 2014年

    奥羽大学歯学部口腔外科学講座 臨床助手

  • 2015年

    都内開業医勤務

  • 2018年

    飯田橋エトワール歯科医院 開院

修了セミナー

[全顎的治療]

  • Education for Oral Rehabilitation ベーシック・マスターコース(高橋登先生)

[アライナー矯正]

  • アライナー矯正治療コース(尾島賢治先生)

[CEREC]

  • CEREC Basic Course (風間龍之輔先生)
  • CEREC道場(北道敏行先生)
  • CERECコース(小池軍平先生)

[審美歯科、保存修復]

  • ダイレクトボンディング ベーシック・マスターコース(高橋登先生)
  • プレパレーションセミナー(岩田淳先生)
  • C.R.E.Dセミナー(高田光彦先生)
  • ADI 実践コース (二宮佑介先生、榊航利先生)
  • Anterior&Posterior Restoration-2days Lecture(Marco Gresnigt先生)

[歯周病]

  • JIPIぺリオコース(牧草一人先生)

[インプラント]

  • Urban Regeneration Institute Advanced Hard and Soft Tissue Course(Istvan Urban先生)
  • 水口インプラント道場 (水口稔之先生)
  • ブローネマルク・コンセプトによるインプラント・コース(小宮山 彌太郎先生)
  • SBICインプラントコース (中澤玲先生)
  • 生体主導型歯科臨床セミナー (山道信之先生)